2010.12.31

薪ストーブ~森の恵み

今年は8月下旬からリフォームが始まりました。中古住宅で外壁の傷みを発見したところから、どうせ直すなら、土に戻り、自分達でもメンテナンスができるものにすること、そして、エネルギー効率を考え断熱をしっかりすることなどを検討しました。

それからうちのライフスタイルは、雪のない時期は殆ど外で畑仕事などをしているので、家の中と外がくっきり分かれている最近の住宅はとても使い勝手が悪かったのです。お勝手口も欲しかったので、外壁をはがすついでにお勝手口をつけて、大胆に和室を壊してそこをぶち抜きの土間にすることに決めました。

そんなこんなのリフォームの真打は、薪ストーブです。

相模湖に住んでいる時に友人が使っていたストーブは赤いボディでしかもクッキングも出来る薪ストーブだったのですが、それを自分達も是非導入したいなと思い続けていたもの。しかし、薪ストーブが着てからの生活というもの、完全にこいつが中心のライフスタイルとなりました。まず、絶対やりたいと思っていた薪ストーブクッキング。

朝起きたらストーブに火を入れて、スープを温め、トーストを焼く。お昼はストーブのトップで炒め物やお味噌汁をつくり、ご飯も炊く。そして午後は炉内でクッキーを焼いたり。お湯はいつでも沸いているので、コーヒーやお茶が飲みたければスタンバイはOK。いまいち、甘さが足りないりんごは、スライスしてストーブ横のウォーミングシェルフにいておくと、一晩でドライりんごになります。・・・とこんな感じで。うまく使っていけば、殆どのクッキングは薪ストーブで事足ります。冷凍ものの解凍も、お菓子作りのときのバターを溶かすのも、電子レンジは不要。じゃがいもをごろっとダッチオーブンに入れてあげておけば、ホクホクのおイモになるので、おやつに食べてもいいし、ポテトサラダを作ったり、スープやカレーにも出来ます。もちろんピザだって焼けます。

ストーブから出る灰は、お掃除に使ったり、畑にまいたり、いろいろな用途があります。料理の時にでる生ゴミは、普段はミミズコンポストと畑に直接埋めるようにしていますが、冬になり雪に閉ざされると畑コンポストが不可能になり、その代わりにEM菌を使ったコンポストにしていました。EM菌のコンポストに生ゴミを入れるときにはある程度水分を飛ばす必要があるのですが、薪ストーブを焚いていると食器もゴミもすぐに乾燥するので、助かっています。しかも、やさいの皮を剥いたもの(自家製野菜は剥かないで食べてしまうのが基本ですが)はストーブで乾かして薪と共に燃やしてしまえば、冬の間、土に埋められない生ゴミを減らすことが出来て、なんとマルチな優れものなのだろうと感動してしまいました。ちなみに、みかんの皮はよく乾かすととても勢い良く燃えるので、火力が弱いときなどの良い助けになります。

それから、飲みきれずに賞味期限切れで残ってしまったハーブなどは、お風呂に入れて使うのに採っていたのですが、薪ストーブの焚き付けにちょっと使ってみると、よく燃えてしかも良い香りがします。本当に、自然のものを生活に取り入れていけば、無駄なものがとても減っていくことにこれまた感動しました。

自然と共生した暮らしは無駄がなく美しいものであるということを薪ストーブのおかげで深く実感させてもらうことになったのです。おまけに、薪を燃やすというのは、木の乾き具合や何の木なのかを見て、燃え方や火力などを判断する必要があります。でも、切られた木は樹種を判別するのが難しいのですが、そうやって切られてしまっているけれど、木と対話したり、火というものの性質を体感しつつ過ごしていると、なんだか今までなかった感覚が養われてくるような気もするし、草木や樹木や森、自然界とのつながりと自分たちの生活の結びつきの深さを感じると同時に、本当に植物たち、森に感謝の気持ちが強くなってきます。

朝起きて火をつける。

昔の人は生活の営みの一部として毎日やってきたことでしょう。でも、これって日常でもあるけれど、「火」という命の源に触れる瞬間でもあり、日常の中に聖なるものを感じる瞬間でもあったのではないかと思うのです。

裏磐梯は雪深い地域なのですが、去年も今年も雪が降るのがとても遅く、今年はクリスマス寒波の時に他のところと同様、どっと降りました。一晩で1メートルぐらい。でも、薪ストーブや壁の断熱のおかげで暖かな日々をすごすことができています。

*リフォームについての詳細はこちらもご参照ください。
石油依存症からの脱出記
Ecological Medicine~薪ストーブ様、来る

 

Comments

薪ストーブと縁の無い生活なので「使ってみたい」という思いはあるものの、今までは具体的な使い方がイメージできないままでいました。
でも、安珠さんの日記にある実際の薪ストーブの利用方法やハーブを使ったアレンジ方法などとても丁寧でわかりやすく、興味深く読ませていただきました。
「朝起きて火をつける。」それが日課となる生活、わたしもいつかそのような暮らしをしてみたいと思いました。

読んでるこちらも感動してしまいました。捨てるものがないこと、火のあるところが中心になること、本当に素敵ですねー。羨ましいです。丸くなるんだろうなー、にゃんこたちも!

>きなこさん

薪ストーブは今の生活だと、縁遠い方が多いですよね。私も友人の家でクッキングに使っているのを見なかったら、なかなかイメージできなかったのかなと思います。
贅沢品と思われることもありますが、裏磐梯のような雪国では必需品なんだなということも実感します。
毎日火をつける生活、一度体験するとはまると思います^^

>acaさん

いつもコメントありがとうございます。
薪を通して、本当に自然の循環の中にいることを、食べることとはまた違った感じで実感させられます。使い方によっては、ガスレンジ、電子レンジ、オーブン、すべての機能を果たすので、本当に驚きで、生活が去年の冬と大分変わりました。
ニャンコたちは、暖かくて、意外に伸びてることも多いんですよ。

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